世界的に木材価格が急騰、アメリカでは3倍に、日本でも倍以上になった例もあり、今でも1~2割程度の値上げ状態です。その結果家が建たないと悲鳴を上げている建築業者も多い。一体何があったのかこれは、アメリカのバブルが影響して北米の木材業界は虫害の発生や不況のため供給は減っていたがそこにコロナが起きて減産。ところが予想に反して急に活況に転じた結果といわれている。あとリモートワークで自宅にこもるようになった市民が住宅を郊外に新しく購入したり、リフォームを盛んに始めたことも要因として挙げられる。さらに経済を支えるために莫大な財政出動と低金利政策が取られた結果、その資金が木材取引市場にも流れ込んだのも事実です。同じことは中国でも起きていて世界中の木材を高値で買い付けた。そこにタイトな物流事情も加わった。今や世界中で木材の奪い合いが始まっている。日本は残念ながらその価格に手も足も出ず買い負けした。需要の6割を外材、特に米材や欧州材やロシア材等に依存しているだけに一気に木材不足に陥ったということです。そこで焦って日本は国産材の調達に走るも増産できず値上がりして高騰したのが現実です。このウッドショックで日本の林業界の裏事情を浮かび上がらせている。では価格が上がっても増産しない理由は林業界の動きが鈍い。なぜかというといつまで高値が続くのかわからないという不安にさいなまれている。あと山から木材を出すには行政手続きの変更、機材や人員の手当ても数カ月はかかる。そのころバブルがはじけて元の価格に戻ったらどうしようという悲観的な考えで前に進まない。それと林業界は伐採や搬出の他全て補助金頼りが恒常化している。支出は年間で決まっているので急な増額はされない。林業も市場原理ではなく補助金の額で動いているのが実情です。誰がリスクを負うのかと疑心暗鬼で増産に踏み切れないということです。また、海外での木材価格の動き等情報感度の低さも垣間見れる。しかし、国内の木造住宅の木材の価格は建設費全体の1割程度。その分の1割か2割上がったとしても価格アップは数十万円にしかならない。本当にその程度のコスト増を吸収できないのか疑問です。このままでは仮にウッドショックが終わってから林業振興のために国産材をもっと使おうといっても信用度は低いと思われます。最後にコロナ禍であろうと経済は動いている。家具販売の立場から見ても早く価格が安定化することを切に望みます。
スタッフ もりさき