日本の国の国土の3分の2は森林です。ほとんどが森林です。
ということでそんなに山が多いなら国産の木材を活かせないのか
と思われがちですがいろんな問題課題があるのが実情です。
日本の森林は、第二次世界大戦中の軍事需要、その後に復興需要で
木が伐り倒され山が荒廃してしまいました。その結果どうなったか
というと国内での需要に追い付かず木材は海外から輸入する動きが
増えました。そして、今ようやく植林された木が成長して今利用できる
ところまでの適齢期に近づいてきています。しかし問題はここから。
ただ、長年にわたり輸入木材に頼ってきたわが国では林業に従事する
人は極端に減っています。残った方も高齢化して若い方は都会へ出て
行き林業に従事する方は、いなくなっています。さらに、木を切って
木材を運び出すための林道の整備や、木を乾燥させたり加工したりする
工場の設備も能力的な限界があります。また、住宅の設計も多くが
2×4や輸入の木材の特性に合わせた設計になっています。尚、今
国産の木材も需要が増えているため価格が上がってきています。
ですが、だからと言ってすぐに生産を増やすことは出来ません。
またこの事態が収まれば輸入木材に戻ってしまい、投資をしても
無駄に終わるのではないかと考える事業者が多く、生産を増やす
動きにも繋がっていかないのです。国は今回の事態をきっかけに
スマート林業という形で大手の住宅メーカーだけでなく中小の
工務店がまとまって国産の木材を安定して調達する仕組みを作れ
ないか、取り組みを進め始めています。安定した供給が見込めば
工場の大規模化や林道の整備、伐採の機械化といった動きが進む
可能性もありますし、若い人材にとって林業の魅力が増すことも
期待できるかもしれません。コストが下がれば当然、消費者にも
メリットが生まれます。このように適齢期になった木を切って
若い木を植える植樹が出来れば森林の循環につながり若い木は育つ
段階でより多くの二酸化炭素を吸収してくれ、輸入するより運搬の
エネルギーや費用削減にもなり地球温暖化対策にもつながります。
持続可能な社会を作るSDGsにも貢献できるでしょう。
課題は多いですが今回の木材の高騰をきっかけに消費者、生産者、
そして地球環境に対して見直す必要があると思われます。
ここに書かせていただいたことはすべて家具業界にも言えることです。
スタッフ もりさき