木材を乾燥させるためには時間がかかります。今日は木材を使えるようにするための前段階である「木材乾燥」について、まず知っていただきたいのは木を木材として使用できるようにするためには時間がかかるということです。もちろん用途によっても違いますが、木が伐倒されてから木材として使用できるまでには少なくとも一年前後は、かかります。板によっては乾燥が十分にできるまでにはもう少し時間がかかります。一枚板に関しては3~5年ほど掛けて乾燥させます。こんな話をお客様にすると「かなりの時間がかかるんですね。」と言われる方が多いです。木材は我々の生活で様々なシーンに使われていますが木について意外と知られていないことが多いです。伐倒された木はなるべく早く製材したほうが良く丸太のままに放置しておくと木口(横断面)から無数の割れが生じてしまいます。丸太のまま保管しておいても内部の乾燥はほとんど進まないので一枚板に割って天然乾燥にて保管します。木材の水分は空気に触れることで外部へと逃げていきます。木材の乾燥方法は大きく分けると天然乾燥と人工乾燥です。天然乾燥は野外に板を桟積みして置いておき、自然と水分が抜けるのを待つ方法です。人工乾燥は、木材乾燥機などを使用して環境をコントロールして水分を抜く乾燥方法です。一般的に木材乾燥をする場合は、天然乾燥と人工乾燥を組み合わせています。それをすることにより加工後割れやヒビや狂いが出ないようにしっかり乾燥させます。樹種や板の厚み、置いておく場所によっても乾燥進度の差はありますが、天然乾燥で含水率が20%台になるのを目安にしています。その後、木材乾燥庫に入れて人工乾燥をさせます。木材乾燥庫は低温乾燥タイプで、時間はかかりますが木材への負担が少なくて済みます。だいたい2週間から2か月ほど乾燥庫に入れて水分を抜いていきます。乾燥庫に入れておく時間は樹種や板の厚み、乾燥庫に入れた時点での含水率によって異なってきます。あと木材を乾燥させる要素は、3つありそれは気温・湿度・風です。気温が高く、湿度が低く、風通しが良いほど乾燥進度は早くなります。ただし、急激に木材を乾燥させてしまうと割れてしまいます。なので、木材乾燥庫に入れる場合は温度を低めに設定して湿度を高めた状態にしておきます。そこから徐々に温度を高めていき湿度を下げていきます。板が大きく割れてしまうとせっかく幅広い板も幅広く使えなくなります。なのでなるべく割れを少なくしてロスを減らすことが良い乾燥となります。ロスを減らすために様々な工夫をしています。
スタッフ もりさき